キヤノンは、米国国立標準技術研究所(以下、NIST※1)が主催する顔認証ベンチマークテストで、日本1位、世界トップクラスの精度を達成※2した。
現在、顔認証技術を公正に評価するための指標として、NISTのベンチマークテストを用いる動きが広がっている。キヤノンは、NISTが実施するベンチマークテストの1つで、最大1200万人の大規模データを用いて認証の精度を評価するFRVT(Face Recognition Vendor Test)に応募している。世界的権威のあるベンチマークテストとされるFRVTには、世界の約90の企業や大学などから300を超えるアルゴリズムが提出されている。
今回、キヤノンが開発中の顔認証技術は、本人の撮影画像1枚と他人を含む複数の画像を照合する「1:N照合」のうち、人物検索の精度を判定するInvestigationの4カテゴリーで日本1位、世界トップクラスの精度を達した。中でも「Visa Borderカテゴリー※3」におけるエラー率※4は0.15%、「Mugshot Webcamカテゴリー※5」においては0.63%を記録した。それぞれのカテゴリーテストにおけるベンダー順位(日本/世界)は、Visa Borderカテゴリー:1位/4位、Mugshot Webcamカテゴリー:1位/2位、Visa Kioskカテゴリー※6:1位/6位、Mugshot Profileカテゴリー※7:1位/11位となった。
近年、スマホやPCのロック解除、セキュリティゲートや決済手続きにおける専用端末を用いた本人確認など、顔認証技術の活用が身近になっている。キヤノンは、プライバシーに十分配慮をした上で、今後も日本国内で開発した独自のAI技術を駆使した顔認証技術を提供していく。また、デジタルカメラやネットワークカメラと顔認証技術を組み合わせた映像解析ソリューションによって、さまざまな業務におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援していく。
※22021年11月22日に公表されたNISTのレポートに基づく。 ※3入国申請書類用の顔画像(Visa画像)と、入国審査ゲートで撮影された顔画像(Border画像)を利用するテスト。Visa画像は正面で良好な照明条件下で撮影。Border画像には正面向きでない画像や、照明環境が良好とは言えない条件下で撮影された画像を含む。 ※5ほぼ正面の顔画像(Mugshot画像)と、安価なカメラで撮影された顔画像(Webcam画像)を利用するテスト。Webcam画像には、正面向きでない画像やコントラストの良くない画像、解像度が低い画像を含む。 ※6入国申請書類用の顔画像(Visa画像)と、旅行者用キオスク端末で撮影された顔画像(Kiosk画像)を利用するテスト。Kiosk画像には顔が下を向いている画像や、顔の一部がはみ出ている画像を含む。 ※7ほぼ正面の顔画像(Mugshot画像)と横顔(Profile画像)を利用するテスト。 |