NECは、「令和4年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」において「世界の安全および安心に貢献する高精度な顔認証技術の開発」の業績で「科学技術賞(開発部門)」を受した。
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文部科学大臣表彰受賞者
(左から、橋本博志、森下雄介、今岡仁、早坂昭裕、高橋巧一) |
科学技術分野の文部科学大臣表彰は、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的として文部科学省が毎年実施している。(注1)
受賞内容
業績名:世界の安全および安心に貢献する高精度な顔認証技術の開発
受賞者:
氏名 |
所属 |
今岡 仁(いまおか ひとし) |
NECフェロー |
早坂 昭裕(はやさか あきひろ) |
NECバイオメトリクス研究所主任研究員 |
森下 雄介(もりした ゆうすけ) |
NECバイオメトリクス研究所主任研究員 |
橋本 博志(はしもと ひろし) |
NECバイオメトリクス研究所シニアリサーチアーキテクト |
高橋 巧一(たかはし こういち) |
NECバイオメトリクス研究所主任研究員 |
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業績の概要
近年、生体認証パスポートの導入やスマートフォンのロック解除等、顔認証に対する社会的な要請が飛躍的に高まったが、実用面で認証精度および速度の両面に課題があった。
NECの顔認証技術は、本人と他人を高精度に識別する有効な特徴量抽出手法を世界に先駆けて開発し、実用化したもの。これを実現するため、「複数人物を見分ける」という従前の手法を、本人/他人の「2クラス分離問題」と再定義するとともに、識別誤りを極小化するための特徴空間の設計に機械学習・深層学習の手法を取り入れた。
本開発により、顔認証技術の認証精度および速度を飛躍的に向上させ、米国国立標準技術研究所による2018年の評価では、160万人規模のデータベース上で、認証エラー率0.4%、検索速度2.3億件/秒を達成(注2)した。また、経年変化に対する頑強性など、実用面での有効性の高さにつながる評価を獲得した。
注1:科学技術分野の文部科学大臣表彰
注2:NEC、米国国立機関による顔認証の精度評価で第1位を獲得 |