リコーとホロラボ(代表取締役CEO:中村 薫)は、建設業界のデジタルデータ活用による生産性向上を目的に、リコーが提供する「リコーバーチャルワークプレイス(VWP)」と、ホロラボが提供する製造業・建設業向け3Dデータ変換ソリューションである「mixpace」を、10月25日連携した。
VWPは、任意の空間をVR上で再現し、VRヘッドセットを使って空間に一堂に会することが可能なサービス。また、mixpaceは、3DCADやBIM/CIM*1ファイルをAR用に変換・表示できるソリューションで、クラウドを介した自動データ変換により3Dデータの活用が容易になることが強み。
今回のVWPとmixpaceの連携により、お客様の3DCAD・BIM/CIMファイルからmixpaceで変換したデータを、VWP上のVR空間で活用することが可能になり、建設業でのデータ活用の選択肢が広がり、協議での認識合わせや、デザインレビュー、設計・施工検討での効率化を図れる。
リコーは今後も人にやさしいデジタルで“はたらく”に寄り添い、お客様がはたらく歓びを感じる、そのお手伝いをする。
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背景
建設業において、2024年4月より施行が予定されている改正働き方改革関連法案の中で、残業時間の上限に罰則規定がもうけられるなど、ICT活用による効率化、労働生産性の向上が急務となっている。また、国土交通省が2016年から推進する、建設現場にICTを活用し、生産性アップをめざす取り組みであるi-Construction(アイ・コンストラクション)では、2025年までに建設業界の生産性を20%向上させることを目指している。そのためにはBIM/CIMなどの3Dデータの活用が必要不可欠と考えられており、今後3Dデータの活用がますます活発となることが予想される。これまで、様々なVR/ARサービスが開発・運用される中で、それぞれに適した用途や強みがあることが明らかになってきた。3Dデータのさらなる活用のため、どちらか一方ではなく、VR/AR両方で使用できることが期待されている。
今回の連携によって実現すること
・これまでVWPでBIM/CIMファイルを再現するには、別途VWP向けのデータの変換・共有が必要でしたが、今回の連携によって、mixpaceのクラウドを通してデータ変換・共有が行えるようになり、データの利便性が高まる。
・データ変換とARでの表現を強みとするmixpaceと、VRでのBIM/CIMファイルや点群データ、360度画像・映像の表現機能を持つVWPが連携することで、クラウドからVR、ARでの表現が可能となり、データ活用の幅が広がる。
・mixpaceクラウド上にあるBIM/CIMファイルを、VR、ARの両方に活用できるようになる。これにより、VRが得意とする空間全体の展望や、建物の中に入ってのスケール感の把握、ARが得意とする建築物の完成イメージの共有や施工確認を、共通のデータを使って行うことができる。
・これまでクラウドデータをPC等の画面上でしか見ていなかったお客様が、VR空間上でデータを再現して遠隔地にいるメンバーと共有しながら確認することや、iPadやHoloLens 2を使ってAR上に再現することが可能になる。
※1 BIM … Building Information Modeling これまで2次元で行われてきた設計を3次元で行うこと。設計、資材、構造、設備などの情報を1つのデータで管理するシステム。
CIM …Construction Information Modeling / Management 土木工事において3次元のデータ(3次元モデル)と各種のデータを結びつけて活用すること。 |