昨今、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大し、人々の暮らしや経済活動に大きな影響を与えている。政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議ではNew Normalにおける基本的な感染対策にマスクの着用が挙げられている。それにともない、PCのログイン、施設の入退場や公共機関などにおける本人確認の用途で幅広く使われている顔認証にも対策が求められている。
NECは従来から、マスクの着用に対応した顔認証を実現していたが、このほどマスク着用に特化した顔認証エンジンを開発した。顔認証は目、鼻、口などの位置や形、大きさなどの特徴点を抽出し照合を行うが、同エンジンはマスクで覆われていない目の周辺に重点を置いて特徴点を抽出、照合する。
同エンジンを用いた顔認証プロセスは、まず、カメラで撮影し検出した顔画像から、マスク着用の有無を判定する。次に、それぞれの場合使用する顔認証アルゴリズムを切り替えて、特徴点の抽出と照合を行う。これによりマスク着用者と非着用者が混在しても、高精度な認証を実現する。
|
|
NECは、DXに必要な生体認証・映像、AI、セキュリティ技術を統合し、アプリケーションからネットワークまでワンプラットフォームで実現する「NEC デジタルプラットフォーム」(注6)上で、「NEC 映像分析基盤」や「Bio-IDiom Services」などを用いたソリューションを開発することで、お客様のニーズに応じた価値を迅速に提供する。また「Bio-IDiom Services」は「NECデジタルプラットフォーム」の顔認証のサービスとして提供を開始し、今後、他の生体認証も拡充する予定。
なお、現在実施している、NEC本社ビル1階のウォークスルー入退場ゲートにおける顔認証と体表温度を測定するサーマルカメラを連携した入退場管理の実証実験について、今年9月末に本エンジンを適用する予定。
NECは、強化した顔認証製品を活用したソリューションを、企業・教育機関・公共施設・商業施設・イベント会場・テーマパークなど、人が密集する場所での入退システムをはじめ、感染症拡大の抑制を支援するソリューションとして提供することで、New Normalにおける経済活動の継続に貢献する。
(注1)「Bio-IDiom(バイオイディオム)」は、顔、虹彩、指紋・掌紋、指静脈、声、耳音響など、NECの生体認証の総称。世界トップクラスの技術や豊富な実績を活かし、ニーズに合わせて生体認証を使い分け、あるいは組み合わせることで、「誰もが安心してデジタルを活用できる世界」を実現していく。
|