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2021-7-19


ウェアラブル機器向け超小型近接センサを量産化

I
2C通信対応で業界最小クラス
を実現

シャープ
 

左:近接センサ<GP2AP130S00F>、米粒とのサイズ比較


 シャープ福山セミコンダクター(本社:広島県福山市、代表取締役社長:片山 修一)は、I2C
※1
通信対応で業界最小クラス
※2
のウェアラブル機器向け近接センサ
※3
<GP2AP130S00F>を開発、今年5月から量産を開始した。

 ウェアラブル機器市場は、スマートフォン向けなどに採用されているTWS※4イヤホンをはじめ、今後、普及が期待されるVRゴーグルやスマートグラス、さらには生体情報のモニタリング機能を搭載した機器などを含む成長分野。これらの機器では、物理スイッチを搭載せず、機器の着脱を自動的に検知して音楽再生の一時停止などの制御を可能にする近接センサの採用が進んでいる。そうした状況の中、ウェアラブル機器のデザインにより高い自由度を持たせるべく、近接センサの小型化へのニーズが高まっている。

 同センサは、同社が長年のオプトデバイス開発を通じて培ったパッケージ技術や光信号処理技術により、業界最小クラスの本体サイズを実現している。また、平均消費電流Typ.40 μA※5の低消費電流設計により、バッテリーの長時間駆動を実現するとともに、独自の外乱光ノイズキャンセル回路※6を採用し、太陽光の下など、赤外波長成分が多い屋外環境※7においても誤作動を抑制する。


 同社は今後も、より広いアプリケーションに向けた非接触センシング技術を開発し、新たな価値の創出に貢献していく考え。

品  名

形  名

サンプル価格(税込)

量産開始

月産個数

近接センサ

GP2AP130S00F

100円

2021年5月

300万個


  主な特長

 1.超小型・低消費電流設計により、さまざまなウェアラブル機器への組み込みが容易

 2.耳などへの着脱を自動検知し、スイッチ操作なしにウェアラブル機器の制御が可能

 3.外乱光耐性が高く、屋外でも誤作動を気にせずに使用可能


※1 2本の信号線で通信する同期式のシリアル通信方式の規格。
※2 2021年7月19日現在、当社調べ。近接センサにおいて。
※3 赤外光を照射して対象物の接近を検知する、受発光素子一体型のセンサ。
※4 True Wireless Stereoの略。完全ワイヤレスステレオ。
※5 回路部(LSI)ならびに発光部(VCSEL)の消費電流の合計。
※6 特許第5823624号および特許第6072928号。
※7 実証環境:太陽光下10万Luxの場合において。




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2021-6-30


シャープ、
輝度やコントラストを飛躍的に向上させた
「mini LED 次世代ディスプレイ」を開発



 シャープは、「mini LED 次世代ディスプレイ」を開発した。光源であるバックライトとして小型のLEDを採用し、高密度に敷き詰めて制御することで、液晶ディスプレイの輝度やコントラストなどの表示性能を飛躍的に向上。大画面テレビのさらなる高画質化を実現した。

「mini LED 次世代ディスプレイ」試作機(左)と従来機※2(バックライト分割駆動なし)の比較(イメージ)
 

 今回開発した試作機※1では、バックライトに同社従来機※2比で約1/10サイズの小型LEDを8,000個以上配置し、1,000以上のエリアに細かく分割して駆動している。描写する映像に応じて各エリアのLEDの点灯・非点灯をきめ細かく制御し、電力を効率的に活用。2,000nit(cd/m2)以上の高いピーク輝度と、100万:1 以上の高コントラスト比を実現している。また、量子ドット技術※3によりバックライト光の波長変換を行うことで、同社従来機比約1.2倍の広色域表現も可能としている。

※1 65V型で試作した。
※2 4K液晶テレビ<4T-C65CH1>(2020年発売)。
※3 青色の光を波長変換することで、より効率的に豊かな色彩表現を実現する技術。




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2021-6-22


発話した音声をリアルタイムにイラスト変換する「piglyph」を開発

~学校法人角川ドワンゴ学園のオンラインワークショップを
ビジュアルコミュニケーションシステムで支援~


リコー

 リコーは、発話した音声をリアルタイムにイラスト化してコミュニケーションをサポートするビジュアルコミュニケーションシステム「piglyph(ピグリフ)」を開発した。これは、社内起業家とスタートアップを支援するリコーの事業共創プログラム「TRIBUS(トライバス) 2020」において、当社の社内チームが提案し、選定されたプロジェクト。

 

このほど角川ドワンゴ学園 N高等学校・S高等学校・N中等部が本日から実施する体験学習プログラム(オンラインワークショップ)で、「piglyph」が活用されることになった。言葉だけでは伝えにくい参加者の考えをリアルタイムにイラストで具現化していくことで、共同作業やコミュニケーションの質の向上を支援する。

 今回リコーが提供する「piglyph」は、音声や入力された文字に紐づいたイラストがリアルタイムで画面上に提案され、その中から最もイメージに合ったイラストを選んで利用するシステム。誰でも簡単にアイデアを表現したり、共同で一つのイメージを作り上げたりすることが可能。参加者がインタラクティブに互いの思い浮かべるイメージを共有することで、テキストベースのコミュニケーションと比べて、オンラインでのコミュニケーションがより充実したものになることが期待できる。


 今後は、オンラインでの配信やリアルな場でのワークショップなどにも活用の幅を広げるため、パートナーと連携しながらシステムの開発と検証を進める。リコーは、「piglyph」の提供を通じて、人々が言葉の壁を越えて自由に意思疎通できる世界の実現を目指す。




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2021-6-14


世界初、「水空合体ドローン」を開発

~点検場所までドローンが自律飛行し、遠隔で水中点検が可能~

KDDI・KDDI総合研究所・プロドローン


 KDDI、KDDI総合研究所、プロドローンは、ダム・港湾設備点検や水産漁場監視などにおける省人化・安全確保を目的として、点検場所まで自律飛行する空中ドローン (親機) に、映像伝送および音波での測位が可能な水中ドローン (子機) を搭載した「水空合体ドローン」(以下 本機体) を世界で初めて (注1) 開発し、2021年5月31日に技術実証を完了した。

<本機体利用イメージ>
 

 近年、水産養殖や水域インフラの点検分野において、少子高齢化などの理由から、人手不足が深刻な問題となっている (注2)。水中での作業支援が可能な水中ドローンの需要が高まる一方、従来の水中ドローンでは、点検場所まで船を出す必要がある。
 本機体は、スマートドローンプラットフォーム (注3) (注4) の活用により、船を出すことなく、点検場所までドローンが自律飛行し、着水後に水中ドローンを分離し、遠隔で水中の点検が可能となる。今後、湖沼や海中での作業などの分野で、ドローンの新たな市場の創出が期待される。

 3社は今後、2021年度中に各用途に応じた実証を行い、2022年度の商用化に向け開発を行っていくという。

 ■「水空合体ドローン」について

 1. 特長
  • 空中ドローン (親機) に水中ドローン (子機) を搭載した合体型のドローン
  • スマートドローンプラットフォームを活用したタブレットでのドローン遠隔操作で、飛行、着水、分離、潜航、浮上、回収、帰還といった一連の動作を制御
  • 水中の子機の位置をKDDI総合研究所独自の音響計測技術で正確に測定
  • 水中子機からの映像をリアルタイムで操作者へ伝送
 2. 各社の役割

 KDDI: スマートドローンプラットフォームを提供
 KDDI総合研究所: 開発全体統括、音響測位部分の開発
 プロドローン: 水空合体ドローンの開発

注1) モバイル通信で自律飛行するドローンが水中ドローン (子機) を搭載し、水中での測位や遠隔操作および映像伝送が可能な「水空合体ドローン」の開発は世界初。KDDI総合研究所調べ。2021年6月10日現在。
注2) 潜水士の数は2017年で3,300人 (平均44歳、約6割が40~50代)、2027年には2,900人に減少すると予想されている (株式会社東京久栄、水中ドローン未来予想図講演「老舗海洋企業が見据える、水中ドローンへの期待」2021年1月27日)。また、漁業就業者数は2003年の23.8万人から2016年には16万人に減少している (内閣府「我が国の水産業の現状と課題」2017年9月)。水域インフラについては、要点検の港湾岸壁施設は全体の10% (2017年) から58% (2033年) に増加が予想されている (国交省・経産省「ICT,データ活用等による戦略的なインフラメンテナンス等」2018年3月2日)。
注3) スマートドローンはKDDIの携帯通信ネットワークに対応したドローンで、KDDI登録商標。
注4) スマートドローンプラットフォームはモバイル通信による目視外自律飛行、遠隔監視制御を実現するためのプラットフォーム。




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2021-6-10


竹・さとうきび・市場回収リサイクルペーパーを原料にする
サステナブルな紙素材「オリジナルブレンドマテリアル」開発


ソニー

 ソニーは、産地を特定した、竹、さとうきび、市場回収したリサイクルペーパーを原料にする、環境に配慮したサステナブルな紙素材「オリジナルブレンドマテリアル」を開発した。
 この素材は、耐久性や強度の高いリサイクル可能な紙素材で、プラスチックを一切使用していない。今回、ソニーでは完全ワイヤレス型ヘッドホン「WF-1000XM4」のパッケージに同素材を採用した。素材の持ち味である様々な色合いを生かすために無着色で使用している。今後も商品のパッケージへの使用を進めていく考え。

 竹は、さとうきびと同様に短期間で成長する植物。必要な分を 選定して伐採し、竹山全体を持続可能な育成サイクルにすることで 、自然への影響を軽減することに繫がるとしている。

 また、オリジナルブレンドマテリアルに採用する竹は、中国・貴州の3つの山で栽培しているものに限定している。山に生息するパンダの餌となる竹とは異なる種類の竹を原料に使用している。

 さとうきびは、砂糖を生成する過程で残る搾りかすを使用している。通常さとうきびの搾りかすの多くは、発電燃料として燃やされ、二酸化炭素排出の原因となっているが、オリジナルブレンドマテリアルに採用することで、リサイクル可能な循環型資源として活用できる。タイ・ナコーンサワン半径100km圏内の畑で栽培されたさとうきびの搾りかすに限定して使用している。

 市場回収リサイクルペーパー

 オリジナルブレンドマテリアルには、同素材を使ったパッケージの生産地で市場回収したリサイクルペーパーを使用し、環境に配慮している。また、リサイクルペーパーと、竹やさとうきびを組み合わせることで強度をもたせている。着色はせずにリサイクルペーパーの素材を生かして、ユニークな風合いを提供することが可能。

 竹、さとうきび、市場回収リサイクルペーパーを配合したオリジナルブレンドマテリアルは、ブレンドの比率を変えることで、様々な形状にすることができることから、活用の幅の広がりが期待できる。完全ワイヤレス型ヘッドホン「WF-1000XM4」のパッケージでは、全体にオリジナルブレンドマテリアルを採用し、分別することなく、リサイクルに出すことが可能。
 エンボス加工も可能なため、インクを使わずに文字を入れるなど、一層の環境配慮が可能。

 製品パッケージのリサイクルは、適正なリサイクル制度のある地域でのみ可能


オリジナルブレンドマテリアル展開例

エンボス加工
 

 オリジナルブレンドマテリアルの成り立ちも発信することで、環境への取り組みについてユーザーとともに考えていくきっかけにすることもめざしている。

 ソニーは、環境中期目標「Green Management 2025」で設定している「新たに設計する小型製品のプラスチック包装材全廃」に向けて、オリジナルブレンドマテリアルの使用などにより、プラスチックを廃したパッケージを推進していく方針。




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2021-5-12


指紋認証USBドングル「BISCADE ドングル」を開発
-第12回教育総合展(EDIX)東京に参考出展-

東芝


 東芝は、指紋認証USBドングル「BISCADE™ドングル※1」(ビスケードドングル)を開発し、5月12日~14日に東京ビッグサイトにて開催される教育総合展(EDIX)東京のレノボ・ジャパンブースにて参考出展する。

 「BISCADE™ドングル」は、指紋認証により簡単かつ安全にPCログオンやシステムログオンすることが出来るUSBドングル。ユーザーがIDやパスワードを記憶する必要がないのが大きな特長で、USB Type-Cインターフェイスを備えているパソコンやタブレットで使用可能。パソコン・タブレットの利活用が進んでいる文教市場向けに2022年春の製品提供を目指す。

 「BISCADE™ドングル」はクレジットカード等で利用されるセキュアチップ、指紋の特徴点を抽出・照合(マッチング)するマイコンチップ、指紋センサーを内蔵し、事前にセキュアチップへ記憶した指紋の特徴点とドングル内で照合処理を完結させる。「ドングル所有による所有認証」と「指紋照合による生体認証」の2要素認証が1つのドングルで可能な為、セキュリティ対策が向上する。また、本人確認と連動してドングル内のセキュアチップに保持された重要情報を安全に利用出来る。

 近年、インターネットの普及によりセキュリティ対策は重要度を増している。同社は、2020年に製品化した指紋認証ICカード「BISCADE™カード」に続き、「BISCADE™ドングル」を製品化することで、指紋認証を活用したセキュリティ対応製品のラインアップを強化していく考え。


指紋認証ドングル「BISCADE™ドングル」
 

※1 BISCADE™は、東芝インフラシステムズの商標。




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2021-3-19


KDDIと三井物産
位置情報とAIで都市計画を支援する「次世代型都市シミュレーター」を開発
~効率的な5G基地局設置に加え、金融・MaaS・エネルギー・インフラなど新たな事業を創出~



 KDDIは三井物産と、位置情報などのビックデータや人工知能 (AI) を活用し、人が移動する手段・時間・場所・目的を把握可能とする「次世代型都市シミュレーター」を開発した。

 両社は、本シミュレーターを活用した都市状況の精緻な可視化と将来予測のシミュレーションを通じて、スマートシティの開発を支援するとともに、5G・金融・MaaS・エネルギー・インフラを含む新たな事業創出を目指す。さらにKDDIは、5G基地局や電気自動車の充電スポット、自動運転バスの停留所などの配置場所の検討や、自動運転ルートのシミュレーションなどにも取り組んでいく。
 また、本シミュレーターの有効性を2021年3月以降実証し、2021年度中の事業化を目指す。

 ■背景

 都市計画におけるインフラの構築や多様化するライフスタイルに応じたサービス検討において、移動者の規模、属性などの都市状況の可視化と将来予測が極めて重要。これまではパーソントリップ調査などの、数年に一度の頻度で実施されるアンケートや街頭での交通量確認が情報源となっていた。しかし、従来の調査方法では情報の更新頻度が低く、最新の都市状況が反映されていないことから、必要なタイミングで必要な情報を得ることが困難だった。そのため、位置情報などのビックデータを活用し、より精緻にかつタイムリーに都市の状況を把握する手法の確立が求められている。

 ■本シミュレーターについて

 本シミュレーターでは、au契約者から同意を得て取得した位置情報や国勢調査などのさまざまなビッグデータに、機械学習手法のActivity Based Modeling (注) を掛け合わせることで、AIが一人ひとりの移動を予測した上で地図に表示し、都市内の人の動きそのものをモデル化する。
 このモデルを活用することにより、従来の調査方法手法では見えてこなかった、人の移動の目的、手段、経路といった情報が可視化でき、これまでは数カ月かかっていた分析・予測を、数時間から数分での実現を目指す。
 また、利用者が任意に設定した条件をもとに都市人流の予測が可能となり、各エネルギーの需要予測や施設の混雑予測をリアルタイムにシミュレーションすることが可能。
 両社は2021年3月から本シミュレーターの予測結果の正確性検証などを開始し、21年度中の事業化を目指すとしている。

 ■
各社の役割
KDDI
サービスの全体設計・事業化企画
位置情報データの提供
三井物産
サービスの全体設計・事業化企画
機械学習モデルの開発
グローバル展開の検討

注)世帯または個人が、無数の活動可能性からどのように活動内容や活動時間を決定し、行動しているかを、さまざまな個人属性や制約条件を考慮したうえで分析する手法。




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2021-3-2


様々なタスクにおける人の集中度を定量的に推定可能な汎用AIモデルを開発
オンライン学習・営業活動など参加者の集中状態を定量化


富士通研究所

 富士通研究所は、人が様々なタスクを実行している時の集中度を、表情筋の動きの変化から、集中時、非集中時の顔面の状態の違いとして検出することで高精度に捉え、定量化できる集中度推定AIモデルを新たに開発した。

 従来、AIを活用して集中度を定量化するモデルは、e-learningなど特定のタスクを実行している人の表情や振る舞いを学習することにより作成していた。しかし、表情や振る舞いは、従事するタスクや人がそれぞれに育った文化的背景に依存して異なるため、作成したモデルは個別のモデルとならざるを得ず、様々な場面に応じて個別にAIモデルを開発しなければならないことが課題だった。

 今回、同社は、表情筋に対応した顔面の各部位の動作単位であるAction Unit
(注1)
を世界一の精度で検出する独自の技術(注3)を活用して、口元に力が入るなど数秒程度の短期間の変化や、目を凝らして一心不乱に見つめているなど数十秒にわたる長期間の変化をAction Unitごとに最適化された時間単位で捉えることで、集中、非集中状態の違いを、それぞれの文化的背景の影響を受けにくい共通の特徴として抽出することに成功した。さらに、タスク固有の振る舞いが生じないように設計された探索や記憶を行う課題を、日本に加え、多様な地域の人のデータ収集が可能な米国および中国の延べ650人で実施し、機械学習用のデータセットとして構築することで、特定のタスクに依存しない、汎用的な集中度推定AIモデルを開発した。この集中状態のデータセットを用いて本モデルの有効性を検証したところ、85%を超える高い精度で集中度を定量的に推定できることを確認したという。

 本技術により、コロナ禍でグローバルに利用が拡大するオンラインの授業や営業活動などの各種オンラインサービスにおいて、デジタル化された参加者の集中状態のデータを活用したAIの支援により、オンラインで取り組む人のタスクや業務の効率化、生産性の向上が可能になる。

 開発の背景


 近年、ニューノーマルな社会において、教育や企業の現場では、授業や会議、営業活動など、様々な場面でのオンライン化が急速かつグローバルに拡大している。

 従来、対面の場では、集中を欠いた生徒への声掛けや、上の空で聞いている相手への話題転換といった、相手の集中力を引き戻すサポートが行われていたが、オンラインの場では、離れた場所にいる相手の様子を把握することは難しく、これまで行われていた適切なサポートが困難となっている。特に、作業に対する集中度は、パフォーマンスを左右する重要な要素であり、オンラインで取り組むタスクや業務の生産性向上の手段として、集中力の維持と向上を図る適切な支援が行えるよう、集中状態を定量的に推定できるAIモデルの開発が期待されている。

 課題

 AIで集中度を推定する一般的な方法として、人の表情や振る舞いから予測する方法があるが、人の表情は、それぞれが育った文化的背景により違いがあると言われており、振る舞いは、e-learningなど特定のタスクに大きく依存する。そのため、この方法では、タスクや対象とする人の文化的背景に特化した学習が行われるため、それらが変わるごとに個別にAIモデルを開発する必要があった。

 また、人が集中してタスクを実行しているときは、顔が強張る、目を凝らすなど顔面の状態に微小な変化が生じる。これらの変化は、人類共通に適用できる概念として提唱されているAction Unitを活用することで、原理的には振る舞いや文化的背景の違いによらず検出できる。しかし、集中時、非集中時の微小な顔面状態の違いをカメラで撮影した顔の動画データから捉えようとすると、例えば、Action Unitの動きで出来たしわと年齢によるしわとの区別が必要になるなど、Action Unit自体の精度の向上が課題となる。

 開発した技術

 今回、同社は、Action Unitを世界一の精度で検出する独自の技術を活用して、特定のタスクや文化的背景に依存せずに、人の集中度を定量化できるAIモデルを開発した。 表情筋の動きの強さが異なるペア画像を学習させる方式で、表情筋の相対的な変化を的確に学習させる独自のAction Unit検出技術を活用し、口元に力が入るなど数秒程度の短期間の変化や、目を凝らして一心不乱に見つめているなど数十秒にわたる長期間の変化をAction Unitごとに最適化された時間単位で捉える。そして、統合的に集中度を推定する新たな方式により、文化的背景に依存しない高精度な集中度推定AIモデルを開発した(図1)。

 さらに、人の集中状態の教師データを収集する際に、タスク固有の振る舞いが生じないように設計された探索や記憶を行う課題などの作業を、日米中の延べ650人で実施した結果をデータセットとして構築し、本データセットを用いて学習させることにより、特定のタスクに依存しない、汎用的な集中度推定AIモデルの作成に成功した。

 
図1 集中状態に現れる人共通の特徴抽出による集中度推定方式

 本AIモデルにより、e-learningでの集中度やデスクワークへの没入状態、工場の組み立て作業の集中度合いなど、様々なタスクにおける集中、非集中の状態を、0.0(非集中)~1.0(集中度最高)の数値で定量的に示すことができる。

 効果

 AIモデルの汎用性を検証するために、日本に加え、多様な地域のデータ収集が可能な米国および中国において、延べ650人の検証用データセットを構築した。今回開発した集中度を推定するAIモデルを用いて、各国の被験者の集中度を推定したところ、いずれも85%以上の精度で集中度を推定することができた。この結果は、e-learningに対する生徒の集中度合いを定量化する最新の国際学会の結果と比較しても、同等以上の高い精度を実現しており、本方式が文化的背景の違いに対して有効に機能していることを確認したとしている。

 また、開発したAIモデルを、ドライブシミュレーターによる運転の様子を収録した、集中状態と眠気による非集中状態が混在するデータで推定したところ、NEDO眠気指標
(注2)
に基づいてラベル付けした正解データに対して高い相関を示し、眠気による集中度低下を推定できていることが確認できたことから、本AIモデルが学習を行っていない異なるタスクへも適用可能だ、としている。

 今後

 今後、同社は、ニューノーマルな社会においてグローバルに拡大するオンライン授業やオンライン会議、営業活動などの様々なサービスへの本技術の適用拡大に向けて、AI倫理の観点も踏まえて検証をさらに進めるとともに、AI集中度推定モデルの実用化を目指し実証を進めていく考え。

注1Action Unit:解剖学的知見に基づいて提唱された Facial Action Coding Systemの中で定義されている約40種の表情筋に対応した顔面の各部位の動作単位。各Action Unit は、表情筋の動きに対応付けて、5段階の強度で定義される。
注2Action Unitを世界一の精度で検出する独自の技術:IEEE International Conference on Automatic Face & Gesture Recognition(FG 2020)において開催されたAction Unit 検出精度を競うコンペティションにおいて1位を獲得したAction Unit認識技術。
注3NEDO眠気指標:複数人の観察により、対象となる人の眠気を評価する指標。眠気のレベルは5段階で定義されている。




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2021-2-25


インクジェット技術による二次電池の製造技術を「二次電池展」に出展

~量産向けの製造プロセスを提案開始~

リコー


 リコーは、2021年3月3日~5日に開催される「第12回[国際]二次電池展 ~バッテリー ジャパン~」(主催:リード エグジビション ジャパン)に、インクジェット技術を用いて自由な形状でリチウムイオン二次電池を製造する技術を展示する。


 
開発中のインクジェット印刷装置の外観イメージ

 本製造技術では、リチウムイオン二次電池に用いられているほとんどの種類の電極材料のインク化に成功しているほか、安全性を付与するセラミック材料やセパレーターのインク化にも成功している。インクジェット技術を用いて狙った場所に狙った塗布量をデジタル印刷することで、高品質かつ柔軟に形状や膜厚を調整することが可能となる。

 これまでリコーは、研究開発において二次電池向けの材料と印刷装置の初期試作に取り組んできた。現在は、量産プロセスに適用可能なインクジェット印刷装置の試作機を開発しており、2021年夏頃から、サンプル部材の供給やお客様との試作が可能になる。今回の技術出展を機に、リチウムイオン電池製造に関わるお客様に提案を開始する。
 また、将来的には、全固体電池の材料を印刷する技術の実現を目指す。

 出展内容
  1. インクジェット印刷装置(イメージ映像)
  2. 電池電極上へのセラミック層印刷技術
  3. 電池電極上へのセパレーター印刷技術

 展示会の概要
 名称
第12回[国際]二次電池展 ~バッテリー ジャパン~
 主催
リード エグジビション ジャパン(株)
 会期
2021年3月3日(水)~5日(金)10~18時(最終日は17時まで)
 場所
東京ビッグサイト(南展示棟)及びオンライン



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2021-1-26


デジタルサイネージソリューション『AcroSign』で
クラウド制御による「空間演出」×「サイネージ」を実現


パナソニック システムソリューションズ ジャパン


 パナソニック システムソリューションズ ジャパンは、デジタルサイネージソリューション『AcroSign(アクロサイン)』の機能を強化し、クラウド制御による「空間演出」×「サイネージ」を実現するAcroSign Version 3.0を開発した。

 同社はこれまでサイネージの配信管理システムとしてWebブラウザ上で簡単に配信できる『AcroSign』を提供し、機能強化を実施してきた。例えば、外食・流通店舗での販売促進、大型商業施設での案内、鉄道・空港施設での運行情報やイベント情報、防災情報といった、特定の情報を伝えるシステムとして提供し、より使いやすく機能を強化してきたが、近年において映像空間におけるUX(ユーザーエクスペリエンス)の最大化、および環境特性を活かした「空間演出」のサイネージ利用ニーズが高まってきている。

 今回AcroSign Version 3.0では、従来は現場での運用・調整が多かった「空間演出」において、映像表現を向上させる機能を強化し、AcroSignクラウドサービスを通じたクラウド制御により、多拠点配信・管理することが可能となった。また、世界的なシェアを誇り、高い安定性と同期再生機能を持つBrightSign社のデジタルサイネージコントローラー※1(日本国内正規代理店:ジャパンマテリアル社)を採用することにより、『AcroSign』の簡単な管理画面での操作と、より美しい映像表現の両立を実現しました。なお、AcroSign Version 3.0は本日より発売する。

 同社は今後も、長年培ってきた映像・音響技術、およびAcroSignクラウドサービスによる配信運用の知見やノウハウを反映し、UX(ユーザーエクスペリエンス)を向上させ、空間価値を向上させるデジタルサイネージソリューションを提供していく考え。

※1 AcroSign Version 3.0対応コントローラーは同社Webページを参照。
https://biz.panasonic.com/jp-ja/products-services_digitalsignage#controller



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2021-1-21


非接触でクリーンなマルチ生体認証技術を開発
マスク着用での本人確認も可能で安全・安心な実店舗での決済を実現


富士通研究所


 富士通研究所は、顔情報で照合対象者を絞りこみ、手のひら静脈で本人を特定する非接触な生体認証を融合させたマルチ生体認証において、マスクを着用していても、マスク着用なしと同等レベルの99%以上の高精度で本人特定が可能な認証技術を新たに開発した。

 一般的な顔情報を用いた絞り込み技術では、マスク着用時に顔の大部分が隠れるために認証されないケースが数%程度あったが、本技術では、利用する顔画像にマスクを合成した顔画像を生成して学習させ、マスクの有無による見え方の差異を吸収することができ、マスク着用なしと同等レベルの99%以上の絞り込み精度が可能となる。また、手のひら静脈認証センサーにおいても、認証に適した高さに手のひらの位置をスムーズに調整できるようユーザーインターフェースを改善し、使い勝手を向上した。なお、本技術は、米国国立標準技術研究所(以下、NIST)にて実施された顔認証ベンダーテストにおいて、グローバルベンダーで6位、国内ベンダーで首位(
注1
)を獲得した。

 本技術により、生体認証を活用した実店舗において、利用者はマスクの着脱動作なしに従来の高い認証精度での本人認証を行うことができ、スムーズな決済処理を実現する。

 開発の背景

  近年、実店舗での決済処理やイベント会場での本人確認など、利用者の真正性を担保する目的で、生体認証の活用が進んでいる。また、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、人との接触を避ける3密(密集・密閉・密接)の徹底に加えて、顔認証や手のひら静脈認証など、センサー部分に直接触れることなく非接触で本人確認ができるユーザーインターフェースの導入も加速している。

 同社は、業界トップレベルの認証精度を誇る手のひら静脈認証をキーテクノロジーとして、手のひら静脈と顔情報を組み合わせたマルチ生体認証(図1)の実証の場として、富士通の事業所である富士通新川崎テクノロジースクエア内のレジなし店舗にて2020年3月より実証実験(
注2
)を行っている。今回、開発した技術を本店舗に適用することで、その有用性を検証する考え。


 
図1 実証中のマルチ生体認証技術の概要

 課題

  近年の新型コロナウイルス感染拡大防止対策のため、マスクの着用がエチケットとして常態化しているが、一般にマスク着用のままで顔認証を行う場合、顔の大部分が隠れてしまうため、顔情報での絞り込みの精度が低下することがあった。そのため、実証店舗のマルチ生体認証では、手のひら静脈を組み合わせることで精度向上を図っていた。しかし、利用者によって、マスク着用のままでは顔情報による絞り込みで本人が特定できず失敗するケースがあり、一時的にマスクを外してもらうなどの対応が必要となっていた。また、今後、実店舗での一般利用者への展開を見据えた場合に、店員からの操作手順の説明を不要とし、利用者自身で登録や認証ができるよう、マルチ生体認証そのもののユーザーインターフェースを、より使いやすく向上させ、生体情報を飛躍的に入力し易くする操作性を実現する必要がある。

 開発した技術

  今回、マスクを着用した顔でも高精度な絞り込みができるデータ拡張学習技術を開発した。開発した技術の特長は以下の通り。

 一般的な顔認証技術では、マスクを着用した顔から絞り込みに有用な顔部位の形や位置関係などの特徴量を抽出するために、露出している目の領域のみを利用する方式を採用していた。本方式は、マスク着用の有無の影響を低減できる一方で、顔全体の特徴量が抽出できないため、情報量の低下により本人が認識されないという問題があった。

 開発した技術では、マスクを着用しても輪郭の形状など顔全体の特徴量抽出を考慮しつつ、マスク着用の影響を低減するために、マスク非着用の顔画像にマスクを付加した画像を生成し学習させることで、マスク着用時でもマスク非着用時と同等レベルの精度で絞り込みが可能となり、同一人物として認識することができる。具体的には、目や鼻の位置など顔の特徴点から顔の姿勢を推定し、その推定結果に基づいて疑似マスクをリサイズ、変形させて顔画像に重ねることで自然なマスク着用顔画像を生成する。さらに、様々な色や柄、形のマスクが流通している状況に対応するため、様々なタイプのマスクを付加した。これによって、マスクを外すことなく認証でき、マルチ認証が衛生的かつさらに使いやすくなった。

 ユーザーインターフェースの改善

 手のひら静脈認証を行う際に、利用者がスムーズに認証を行えるよう手のひら静脈認証センサーのユーザーインターフェースを改善した。手のひら静脈センサーの周囲に手のひらの形をしたライトを設け、手のひらをかざす高さに応じてライトの色と発光パターンを変化させることで、手のひら静脈認証に適切な高さを知らせる。これにより、手のひら静脈認証に慣れていない人でも、手のひらを適切な高さに調整でき、非接触かつスムーズな認証を行うことができる。

 効果

  今回開発した技術とユーザーインターフェースの活用により、利用者自身で容易に認証することが可能となり、生体認証を取り入れた実店舗での決済やレジャー施設での本人確認など、様々なシーンにおいて、感染症の感染拡大を防止しながら、より安全・安心なサービスを実現する。

 今後

 同社は、さらなるユーザーインターフェース評価などを踏まえて、ローソンと共同で取り組んでいる新川崎テクノロジースクエア内のレジなし店舗で実証中のシステム(注3)に本技術を適用し、2021年1月21日より実証実験を進め、2021年度中の実用化を目指す。

注1
米国国立標準技術研究所にて実施された顔認証ベンダーテスト:
Face Recognition Vendor Test;において、参加147社のうち6位。国内ベンダー首位(2020年11月時点)。
FRVT Face Mask Effects

注2
レジなし店舗にて2020年3月より実証実験:
富士通、事業所内のローソンレジなし実験店舗でマルチ生体認証技術を世界初導入(2020年2月18日プレスリリース)
注3
レジなし店舗で実証中のシステム:
米国VCOGNITION TECHNOLOGIES, INCの提供するシステム「Zippin」。自動決済に必要なカメラ・重量センサーなどの機器と、来店客や商品を認識するためのAI 機能、決済や在庫管理との連携機能をまとめた統合システム。



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2020-12-15


反射型カラーIGZO液晶ディスプレイ搭載「スマートバス停」を製品化
太陽光パネルと蓄電池を搭載し、商用電源がない場所にも設置可能
遠隔操作で時刻表の書き換えも容易に


●左:スマートバス停 右:スマートバス停の表示部

 シャープマーケティングジャパンは、YE DIGITAL(本社:福岡県北九州市、代表取締役社長:遠藤 直人)と「スマートバス停」を共同で開発した。YE DIGITAL社および西鉄エム・テック(本社:福岡市中央区、代表取締役社長:前川 義広)より、今年12月中旬に発売する。

 同機は、太陽光パネルと蓄電池を搭載しているので、商用電源に接続することなく設置可能。昼間に発電した電気を蓄電池に蓄えるので、日照量の少ない日や夜間でも利用可能。商用電源への接続が困難な郊外などにおける設置性が大きく高った。
 また、表示部に反射型のカラーIGZO液晶ディスプレイを採用。日中は、太陽光などの外光を光源として表示。直射日光下でも時刻表やお知らせなどをクリアに映し出す。31.5V型の大画面でありながら、ごく少ない消費電力で運用可能。バックライトも搭載しているので、外光の少ない夜間でも十分な視認性を確保している。

 通信機能も搭載しているので、遠隔操作で時刻表の書き換えも容易に行える。従来型バス停では必要な、掲示物の貼り替え作業にかかる時間やコストが大幅に削減できる。

品名 製品化時期
スマートバス停 2020年12月中旬

 ■ 主な特長

 1.太陽光パネルと蓄電池の搭載により、商用電源に接続不要

 2.反射型カラーIGZO液晶ディスプレイを採用。直射日光下でも見やすい表示と省電力を実現。搭載のバックライトで外光の少ない夜間も十分な視認性を確保

 3.通信機能を搭載。遠隔操作で時刻表の書き換えも容易




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2020-12-14


「GIGAスクール構想」学習者用端末の標準仕様に準拠
LTE内蔵「Dynabook Chromebook C1」を共同開発
シャープの通信技術とDynabookのIT技術を融合


LTE内蔵「Dynabook Chromebook C1」


 シャープとDynabookは、シャープの通信技術とDynabookのIT技術を融合し、「GIGAスクール構想」学習者用端末の標準仕様※に準拠したLTE内蔵「Dynabook Chromebook C1」を共同で開発。2021年2月以降に商品化する。

 同機は、11.6型のタッチディスプレイを搭載。ノートパソコンとしてはもちろん、ディスプレイ部を反対側に折りたたんでタブレットとしても使えるコンバーチブルタイプ。高性能CPU「Qualcomm® Snapdragon TM 7c」を採用し、高いパフォーマンスの維持と長時間の電池持ちを実現した。折りたたんだ状態から開くと待機状態から高速で起動し、すぐに使用できる。LTE内蔵なので、通信環境のないご家庭での学習にも活用できる。

 また、同機は2つのカメラを内蔵。ユーザーフェイシングカメラ(フロントカメラ)は、HDR(High Dynamic Range)に対応。白飛びを抑え、オンライン授業を受講する児童や生徒の自然な表情をとらえる。タブレットスタイルにして使う500万画素のワールドフェイシングカメラ(アウトカメラ)は、屋内外での観察授業などで便利に活用できる。

 さらに、なめらかで精度の高い書き心地を実現したスタイラスペン(オプション)も商品化。本体に収納可能で、必要な時にさっと取りだして使用できる上、収納しながら自動で充電が可能。わずか15秒のチャージで、約45分間利用できる高速充電にも対応している。

 シャープとDynabookは、両社の保有する技術を融合し、教育ICT化の推進に貢献していく考え。


品名 形名  発売時期
LTE内蔵 Chromebook Dynabook Chromebook C1 2021年2月以降 


 ■ 主な特長

 1.「GIGAスクール構想」学習者用端末の標準仕様に準拠

 2.LTE内蔵で、通信環境のないご家庭での学習にも活用可能

 3.「Snapdragon TM 7c」を搭載。高いパフォーマンスの維持と長時間の電池持ちを両立

 4.ユーザーフェイシングカメラ(フロントカメラ)とワールドフェイシングカメラ(アウトカメラ)の2つのカメラを内蔵


※ GIGAスクール構想の実現に向けて各自治体が必要機器などを調達する際の利便性向上を目的に、文部科学省が機器や設備の機能や性能を参考に提示したモデル仕様。




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2020-12-11


リアルとリモートのハイブリッド ビデオ会議ソリューション

ビデオ会議システムHDコムのクラウドサービスを開発


ニューノーマル時代の場所を選ばない新しい働き方に貢献


 パナソニックは、このほど、同社製ビデオ会議システム「HD映像コミュニケーションシステム(HDコム)」の新サービスとして、ビデオ会議クラウドサービスを開発した。サービスの提供開始は2021年春を予定している。オンプレミス型ビデオ会議システムである「HDコム」の高品質、高画質な会議を維持しつつ、パナソニック独自のビデオ会議クラウドサービスを使って、社外のHDコムやパソコン、モバイル端末とも場所を選ばず、簡単に会議ができるようになる。

 同社は、2009年からHDコムを発売し、高解像度な映像とクリアで高音質な音声により、臨場感のあるスムーズな会議が可能なビデオ会議システムとして好評を博してきた。これまでにも、最上位モデルであるKX-VC2000J(2016年12月発売)において、本体端末のみでは業界最多となる24拠点接続を実現しているほか、本体端末でのUSB録画やモバイル端末向けアプリケーションの提供等、市場要望と時流に一早く対応したビデオ会議システムの活用方法を提案し続けてきている。

 このほど、ニューノーマルの時代の働き方に貢献するサービスとして、Web会議の簡便さを取り入れ、ビデオ会議システムと簡単にハイブリッドな接続を実現できることに加え、社外のさまざまなモバイル端末との接続を可能にする、ビデオ会議システムHDコムのクラウドサービスを開発した。これにより、社内のHDコムと社外ネットワークに接続された取引先のHDコムも国内や海外を問わず、同サービス上でのミーティングに招待することによって会議を開催できる。さらに、パソコンはブラウザ、スマートフォンは専用アプリケーションにより、同様に会議に参加することができる。なお、新サービスの提供開始は、2021年春を予定している。

 同社は、今回の新サービスを場所や時間にとらわれない多様な働き方に対応でき、スムーズなコミュニケーションを実現することで、働き方改革やテレワークに貢献するものとして、業種・業態を問わず、さまざまな「現場」へ向けて提案していく方針。

 <主な特長>

 1. 社内(HDコムでのリアルな会議)と社外(リモート参加者)をハイブリッド接続

 2. 取引先や海外拠点、さらにはモバイル環境からでも簡単に接続可能

 3. 社外との接続でも社内ネットワーク機器の再設定が不要※1

※1 社内セキュリティ設定によっては、再設定が必要になる場合がある。

■ビデオ会議ソリューション接続イメージ
 



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2020-12-2


有機デバイスのセラミックコーティング技術を開発
透明導電性セラミック粉体でデバイスの機能を保ったまま耐久性を35倍向上

リコー 

セラミック有機ハイブリッドデバイスの一例(有機感光体)


 リコーは、有機デバイスの機能を保ったままセラミックコーティングを行い、コーティングを行わない場合に比べて耐久性を35倍向上させたデバイス(セラミック有機ハイブリッドデバイス)と、その製造方法を開発した。MFP等に用いられる有機感光体の上に、独自に開発した電荷輸送性中間層塗料と透明導電性セラミック粉体をコーティングすることで、感光体に必要な機能を保ったまま表面の強度を35倍向上することに成功した。 また、直径Φ100mm×長さ380mmという広い面積においても均一な加工を行うことができた。この技術はリコーグループが長年培った半導体材料技術と薄膜生産技術を生かしたもので、常温で有機デバイス上にセラミック膜を生成することができる。この技術を応用することにより、有機EL、電子ペーパー、有機薄膜センサー、有機太陽電池など、さまざまな有機デバイスの耐久性強化と低コスト化に貢献できるとしている。

 * 自社製有機感光体に対しての摩耗試験による

 同セラミック有機ハイブリッドデバイスと製造方法は、12月9日から11日まで開催される「nano tech 2021 第20回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」でオンライン展示を行う。

 有機EL、電子ペーパー、有機薄膜センサー、有機太陽電池などの有機デバイスは、有機分子を組み合わせることで多様な機能を発揮できるという利点があるが、無機デバイスに比べて強度が弱いという課題がある。この強度を向上させるための手段の一つがセラミックコーティング。一般的にセラミックは原料となる粒子を高熱で焼結することで製造するため、従来の製造技術では有機物の構造を維持することや、セラミック膜に透明性や導電性を持たせることは困難だった。リコーが採用したエアロゾルデポジッション法では、透明かつ導電性を持つセラミックの微細粉末を常温で固体のままデバイスの表面に衝突させることで、均一にセラミックの膜を形成する。そのためにはセラミック粉体の組成やサイズ、噴射条件などが非常に重要となるが、リコーはその条件を制御することに成功した。また、独自の電荷輸送性中間層を事前に塗布することで、デバイス表面を保護しつつセラミック粉体の密着性を高め、デバイス機能を保ったままセラミック層を厚膜化することにも成功した。これにより、リコーの開発したセラミックコーティングは、ダイヤモンドと同じ結晶構造を持つ非常に硬度の高いDLC(Diamond like Carbon)コーティングと同等以上の強度を実現している。この技術をリコーのMFP等で使われる電子写真用感光体に適用して摩耗試験を行ったところ、一般的な有機感光体の約35倍、高耐久樹脂膜を利用した感光体の約10倍の強度向上を確認したという。この電荷輸送性中間層と透明導電性セラミック粉体は、目的に応じて調合を変えることにより、さまざまな有機デバイスに対応が可能。

 リコーは同技術の開発を進めることで、さまざまな有機デバイスを高耐久化し、有機デバイスを搭載したディスプレイやセンサー、太陽電池といったIoT社会のエッジデバイスの信頼性向上を目指す。また、セラミックコーティングを用いたデバイス表面の修繕により有機デバイスのリサイクル使用を促進し、コスト削減と資源利用の抑制に貢献していく考え。



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