マルハニチロは「世界においしいしあわせを」をグループスローガンとして掲げ、本物・安心・健康な「食」を提供する企業として、多彩な食品事業をグローバルに展開している。2018年から今後4年間で取り組む中期経営計画「Innovation toward 2021」では、企業価値の向上と持続的成長をテーマに長期経営ビジョンの実現に向けた3つの経営戦略として「収益力の更なる向上」「成長への取り組み」「経営基盤の強化」を発表している。経営基盤の強化では成長投資を積極的に行い工場へのAI、IoTの導入による生産効率の向上や省人化を目指している。その一環で2015年度よりシステム開発を開始し、2017年に直営全工場のデータを一元管理したデータ統合管理基盤である新生産管理システムを構築した。今後はこの新しい仕組みをグループ全体に展開しグループ統合基盤に拡張する予定。
新生産管理システムでは、生産、原価、品質管理の仕組みとして「mcframe」を中核に据えている。工場全体を統制するために、製造・購買・品質の網羅的な指図出し機能や予算編成機能などを備えており、指図作成の補助機能として生産スケジューラ「Asprova」を採用している。またミスを未然に防止し品質管理を強化する仕組みには「QITEC」を導入した。設備の保全に関しては、計画、実行、管理の機能すべてを「AMISYS」で構築している。今回導入した新生産管理システムにより業務のデジタル化が進み、予算編成や損益管理の一元的な確認が容易になった。また、データ統合管理基盤に蓄積するビッグデータを活用することで、将来を見据えた事業運営が可能になった。工場では指図通りでないとしかるべき作業が出来ないというミス防止の仕組みを取り入れたことで、作業手順・検査基準の電子化によって伝達の正確性を図り、品質向上につながるとともに業務の見える化・効率化・標準化を実現している。
キヤノンITSは、2015年から最適な業務システムパッケージを組合わせるベスト・オブ・ブリード型システムとして、製造業向けに基幹業務トータルソリューション「AvantStage(アバントステージ)」を展開している。今回のシステム導入では「AvantStage」から「mcframe」と「Asprova」を導入した。今後も今回のシステム構築・導入ノウハウを生かして、食品製造業が目指す安全で安心な製造現場の実現を推進していく。具体的には製造業務モデルの見直し、業務のデジタル化、工場のスマートファクトリーによるデータ活用し、見える化・自動化・効率化を実現し、AvantStage事業をより一層強化する。
また、今年3月に「AvantStage」の中核をなす「mcframe」の開発元であるB-EN-Gに資本参画した。これによりAvantStage事業を推進するための製品検討、人材育成、営業マーケティングを検討・実施するためのバーチャル組織を設置し、B-EN-Gとの戦略的アライアンス活動を実施し、基幹業務トータルソリューション「AvantStage」において2021年までに売上高50億円を目指す。
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