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ニュース | ホットニュースSP 2002年8月 |
2002−8−2 |
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モバイル情報機器・サービス市場規模 2005年度に6兆7000億円へ −鍵は、コンテンツの拡大や通信利用による用途拡大− |
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社団法人 ビジネス機械・情報システム産業協会〔会長:樫尾幸雄〕は、このほどモバイルシステム部会において「2005年度までのモバイル情報機器・サービス市場に関する市場予測」と、「PDA利用者に関する調査研究」を行い、その結果を発表した。 この市場規模調査は、モバイル関連市場を、大きくハードウェア市場とサービス市場の2つに分け、前者を「PDA市場」、「モバイル用途ノートパソコン市場」、「携帯電話・PHS端末市場」、「高度カーナビゲーションシステム市場」の4市場、後者を「データ通信サービス」、「コンテンツサービス」の2市場に分類し予測したもので、機器メーカ、通信キャリア、プロバイダー・サービスソフト関連企業、および有識者による合計40名のアンケート回答に基づき、同協会にて分析・検討を行い市場規模をまとめたもの。 それによれば、モバイル情報機器・サービス市場は、モバイル情報機器のハードウェア市場、サービス・コンテンツ市場とも、インターネットやメールが普及し、様々な情報通信サービスが国民の意識や生活に浸透することで堅調に成長し、2003年度5兆4,605億円、2005年度には6兆6,967億円の規模に発展する見込みで、2001年度比180%の成長を予測している <モバイル関連の市場規模推移> (メーカー出荷ベース)
●通信機能内蔵型PDAが成長の一翼を担うハードウェア市場 「PDA市場」、「モバイル用途ノートパソコン市場」、「携帯電話・PHS端末市場」、「高度カーナビゲーションシステム市場」の4市場を合わせたモバイル情報機器のハードウェア市場は、以下の通りで、2001年度4,950万台の規模が2005年度には7,784万台(2001年度比157%)に伸長すると予測している。特に、PDAの市場(@)は、2005年度405万台(2001年度比307%)に達し、大きな伸長を見込んでいる。 <ハードウェア市場> (メーカー出荷ベース)
さらに、携帯電話・PHS端末市場を形態別に詳しく見ると以下の通りとなる。 <携帯電話・PHS端末の形態別市場推移> (メーカー出荷ベース)
形態別の市場予測では、「PDAとの一体化型(A)」の割合が、2003年度18.2%(1,067万台)、2005年度26.2%(1,734万台)となっている。この市場は、「通話機能一体型PDAの市場」と考えられることから、携帯電話・PHS端末の高付加価値化や高速通信インフラの整備、PDAを用いたVoIP(Voice over Internet Protocol、IP電話)システムの市場浸透度や利用者の意識の変化に伴い、一つの市場セグメントとして急激な成長が見込まれ、今後多様な商品バリエーションの展開が予想される。 ●モバイル市場拡大の原動力を担うサービス市場 モバイルデータ通信サービスやコンテンツサービスの市場は、通話を除くデータ通信と、モバイル機器で直接利用するコンテンツを対象として市場規模を予測している。 モバイルデータ通信サービスは、契約者数とデータ通信比率は増加するものの、事業者間の競争激化/定額制の開始/パケット料金の値下げ等の要因によって、データ通信料金の単価低下が、一層早く進行するとの見方もあり、トータルでは堅調な伸長と予測している。 一方、モバイルコンテンツサービス市場は、無線LANなどを使った高速インフラの整備によって利用環境が整い、2005年度は2001年度比で2倍以上(2.3倍)に拡大すると予測している。 さらに、一つのキラーコンテンツが爆発的な市場拡大を引き起こす可能性を秘めていることも事実であり、1カ月当たりのコンテンツ料とデータ通信料金を引き上げるキラーコンテンツの登場がサービス市場拡大のキーを握っているといえる。 <モバイル関連サービスの市場推移>
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<PDA利用実態とユーザー意識調査> 新しい情報化社会を切り開くモバイル市場の本命として今、PDAが脚光を浴びているが、市場が拡大するにはユーザーニーズを的確に把握し、その結果を新しい機器やシステム、コンテンツサービスの開発・提供して行くことが必要となっている。 そこで、今回、PDAに的を絞って利用者サイドからの「PDA利用実態とユーザー意識調査」を行った。同調査はPDA所有者220名、および非所有者220名の合計440名から得た回答をもとにまとめたもの。質問に対する回答概要は以下の通り。 1.今後利用したい情報機器 PDA所有者で92〜95%の人が、「PDA」「パソコン」「携帯電話」「デジタルカメラ」「DVDプレーヤー」を今後も利用したいと回答したのに対して、PDA非所有者は「パソコン」「携帯電話」「デジタルカメラ」「DVDプレーヤー」については86〜88%の人が利用したいと答えながら、PDAについては51%に留まっている。PDAを利用しない理由として「必要性を感じない」と答えた人が47%で最も多く、以下「価格が高い」が15%、「PDAを知らない」が15%、「他の機器で充分だ」と答えた人が13%あった。 以上のことから、PDAを広く知ってもらい、その機能と魅力が充分理解されるようになれば市場は大幅に拡大するものと思われる。 2.PDAの利用状況 「スケジュール」「電話帳/住所録」「メール送受信」「メモ・文書作成」「辞書検索」の順に利用されている。 3.PDAでの通信利用状況 所有者全体では55%の人が通信を利用し、その内、6割が携帯電話に接続、3割がPHSデータカードを利用している。これは、もっぱら電子手帳として利用している人(45%)が通信の便利さを知り、利用するようになればPDAの利用用途が一気に広がり、市場の拡大がもたらされるものと考えられる。 4.PDA購入時に重視する点(価格は除く) 「本体サイズ」と回答した人が80%、以下「表示の見やすさ」「重量」「デザイン」「表示サイズ」の順に高く、中でも女性では「デザイン」「重量」を重視する傾向が高い傾向にある。 5.買い替え需要 PDA利用者は平均して約2台の買い替えを既に行なっており、一度利用すると買い替えながら利用し続ける傾向があるようだ。 ●PDA市場拡大のキーは、「PDAの便利さの啓蒙」、「操作性の向上」、「コンテンツの拡大や通信利用による用途拡大」 市場には多種多様なモバイル機器が登場しているが、携帯電話・PHSは、「超小型で使い勝手がいい反面、画面が小さくて見づらく入力もしづらい」、ノートパソコンは「豊富なデータを扱える一方、立ち上げが遅い。重くてかさばる。電池寿命が短い」など、一長一短がある。PDAには「軽量・コンパクト」「画面が大きく操作しやすい」「携帯電話に比べて入力もし易い」等、両者の欠点を補う優れた特長がある。 今回のアンケート調査の結果をまとめると、今後、PDAがその特長を遺憾なく発揮し、携帯電話・PHSに匹敵する市場規模に発展するには、 @PDAの素晴らしさを幅広く人々に知ってもらう活動。 A買い替えユーザーの満足度を高める為、操作性などの向上。 BPDAならではのコンテンツ(特に魅力的なキーコンテンツ)の開発。 C通信機能、通信環境の充実による高速化(コンテンツの多様化)や利用できる場所の拡大。 が必要であり、その実現がPDA市場拡大の鍵を握っているといえそうだ。 |