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★これが、デジタル複写機最新戦略だ!★


<セットDVカウンター料金方式>
複写機のカウンター料金の値崩れ防止と、
プリンターを取り込んでの顧客の囲い込みに威力!



複写機だけでなく、プリンターも抱き込む大胆な発想を!



プリンター専業メーカーも戦略転換!ぼやぼやしていられないぞ!
ライン
 
 複写機メーカーの主力どころの大半が今やれっきとしたプリンターメーカーでもある。リコー、キヤノン、ゼロックスはもとより、ミノルタ、コニカにしても同様、自社ブランドでカラーレーザー、及びレーザープリンターを発売している。しかし、複写機とプリンターはかくの如き製造レベルでもハード的にも共通点が多く、また、一方のメンテナンス面でも複写機のCEならばプリンターの保守メンテも楽々こなせるという共通のバックグラウンドがありながら、現実の販売戦略・メンテ戦略はどうかといえば全く別。勿論共通のソフト戦略もないし、それぞれが全く別個の戦略を打ち出しているのが現状である。

 しかし、果たしてこんなことでいいのだろうか?<現場(ユーザーの使用環境)は一つである>という論理に立って言えば、こんなバラバラな戦略、決して現場(ユーザー)本位とは言えない。また販売する側の立場に立ってみても、あまりにも複写機の殻に閉じ込った柔軟性のない戦略といえるるのではないだろうか。

 だとすれば、答えは一つ。これを早急に見直し、時代に適合したものへとリニューアルしていかねばならないということである。

■  依然変わらぬ図式
<攻めるプリンター、守るデジタル複写機>

 もっとも、メーカー、及び販売店にとってドル箱収益源であるカウンター料金が、値崩れすることなく確固と維持されている時ならば独自路線を貫くのもいいだろう。しかし、現実は大手CVユーザーを中心にカウンター料金の値崩れは次第に広がりつつある。加えて、工業会の出荷統計からも明らかなように、複写機の需要は今年に入ってからも依然と低迷が続いている。需要活性化の何らかのカンフル剤をこの辺で打たないと、それこそ今もっとも勢いのあるプリンターに丸呑みされかねない形勢にある。

 特に、プリンターにスキャナとサーバーを付けてコピーシステムとして拡張できる商品で、デジタルコピー市場への割り込みを画する専業メーカーは、「課金料金制なし」、「ミニマムチャージなし」、そして「ランニングコストが安い」ことを武器に本来のコピー機市場に猛チャージをかけている。当然、これらの対策も併せて推進しなければならないわけで、そうでなければ「コピーのカウンター料金は高い」という間違ったイメージだけがユーザー間に浸透、定着してしまうことになる。今日のカウンター料金の値崩れ現象が、仮にそうしたプリンター専業メーカー対策の防衛上からくるものだとするならば、こんな情けない話はあるまい。

 つまり、受身で構えてばかりいてはこのように、カウンター料金を値下して応戦するというイージーな対策しか打てないのが現状であり、これではいつまでたっても根本的な問題は解消されないということである。結果、ドル箱収益源たるその屋台骨を揺るがすことになり、業界の健全な発展と成長に赤信号が灯ることになる!

 そうならないためにも、ここは、プリンターを取り込む位の大胆な発想の政策転換が望まれるところであり、またそのような大胆な戦略を打つ必要な時期に来ているように思うのだが、どうだろう。

 少なくとも、今のままではカウンター料金は確実に値崩れの一途を辿る!ということ。このことだけは間違いなく言えよう。
 
今のままではカウンター料はディスカウントの対象となる一方!
その流れを変える!

 プリンターはマシンとトナーカートリッジ、それに保守サービスがそれぞれ独立したビジネス(ユーザーが自由に選択できる)であるのに対して、複写機の場合はマシン購入時にそれらの消耗品や保守メンテナンスなどがあらかじめカウンター料金の中に組み込まれている契約を取り交わす。いわゆる包括料金制度を採用している点に大きな違いがある。プリンターメーカー、中でもコピーメーカーではないプリンター専業メーカーのエプソンなどのように、プリンターのコピー拡張システムによって複写機市場への参入を図ろうとするメーカーは、複写機のそうした包括料金制度の持つカウンター料金制度の問題点、即ち、コピーチャージ料金方式や一面的なランニングコスト高さを強調することによってプリンターの優位性をPRし、、それによってプリンターMIFの拡大を推進してきた。

 だが、よくよく考えてみれば分かるように、保守料込みの複写機のランニングコストと、保守料を別立てにしているプリンターとを同一レベルでコスト比較を行なってみたところで何の説得力もあるまい。保守料込みのプリンターと複写機のランニングコストを比較してこそ初めて同じ土俵上で、「複写機とプリンター、どちらがランニングコストが安いか」を論じることができるのだ。なんとなれば、ネットワークでつながっているプリンターの拡張コピーシステム、では、保守サービス契約はいらないんですか?ということである。

 勿論、ユーザーとてこの辺のことは充分熟知している。が、一番問題なのは、そうした一面上の弱点を逆手に取って利用し、ユーザーがカウンター料金の割引を要請することである。とりわけ、官公庁やCV・DVの多い大手企業などはその傾向が強く、「で、カウンター1枚あたり何円にしてくれるんや」は今や当たり前の要求事項となっている。そうでなくても、昨今の不況浸透により企業の経費節減ムードは高まる一方。カウンター料金はまさしく格好のディスカウント対象となるわけだ。

 つまり、こうした流れを文字通り断ち切る大胆な戦略こそが今まさに求められているということである。

■  プリンターまでを取り込んでの一括オーダーも獲得可能に!
<セットDVカウンター料金契約方式>

 そこで、複写機メーカーに是非とも導入を検討して頂きたいのが<セットDVカウンター料金契約方式>である。特に、プリンターとコピーが混在するようなDVの多いオフィスでは、複写機の現行カウンター料金システムの中にプリンターのトナーなどの消耗品、及びメンテナンス料金も組み込んで、<セットDVカウンター料金契約方式>としてトータルな導入提案を行う。そのための統合カウンター料金制度を採用すれば、複写機のみならずプリンターまでを取り込んでの一括オーダー獲得が可能となるだろうし、またプリンターとの単純なランニングコスト論争に持ち込まれることもなくなることから、複写機のカウンター料金の値引き要請を受けることもなくなる。

 つまり、<セットDVカウンター料金契約方式>は、プリンターを複写機のカウンター・メンテナンス料金システムの中に取り込むことによって、トータルなMIFの拡大をスムーズに促進すると共に、なおかつ複写機の現状カウンター料金制度の値崩れ防止をも果たす!というわけだ。
 とりわけ、中大手企業以上のユーザーにはこの新戦略、一石二鳥の効力を発揮するのは間違いのないところだけに、複写機メーカーの戦略課題として早急に取り上げ、実践する価値が大いにあるように思われる。

 <セットDVカウンター料金契約方式>導入により想定されるメーカー、及び販売店のメリットを列挙すると次の通りである。

1. 同一ユーザーのCV、PV管理が一括して行なえる。
2. 複写機の定期点検時にプリンターの保守点検も併せて行なうことが
でき、サービス効率が飛躍的に向上する。
3. 複写機使用のユーザーで他社プリンター機を使用している場合、これ
を自社で丸抱えすることが可能となり、顧客の囲い込みにつながる。
4. プリンター専業メーカーのCV市場侵略を未然に阻止することができる
と共に、PV市場の取り込みが容易となり、守りの営業から攻めの営
業に転じることができる。
5. これまで他社に流れていた、プリンターカートリッジの安定供給と確保
ができ、生産計画が立てやすい。
6. 独自のTCO提案ができる。
7. 請求業務が一本化できる。

 このように、まさにメリット一杯の<セットDVカウンター料金契約方式>なのである。
 
<セットDVカウンター料金契約方式>のしくみ
プリンターの使用枚数、契約台数に応じて割引率を設定

 では、<セットDVカウンター料金契約方式>のしくみだが、具体的には以下のようになる。


<セットDVカウンター料金契約方式>のしくみ


<トナーカートリッジ+保守料> <感光体+(トナー)+保守料>


PRINTER
(使用枚数・契約台数に応じて料金設定)







デジタル複写機
(現行カウンター料金)


◎MFPのプリンター出力料金を基準に単価設定し、出力枚数、セット契約台数に応じて割引率を別途定める。
◎複写機のカウンター料金は割引対象としない。
〜現行料金の維持

●最低使用料金あり ●最低使用料金あり


●デジタル複写機カウンター料金 xxxxx

●PRINTERカウンター料金 xxxxx

<枚数割引> ×%
<台数割引> ×%
 B

A+B
請求額




 勿論、この場合はプリンターにデジタル複写機で導入しているリモートメンテ用のアダプターを取り付けることが前提となる。では、気になるプリンター用のトナーカートリッジの供給方法、及び<セットDVカウンター料金契約方式>による月次の請求業務だが、具体的には以下のような流れとなる。

.遠隔診断(リモートメンテナンス)により、機械の稼動状況、使用枚数を集計・管理する(メーカー)。

2−1.一定の使用枚数に達したら、該当するトナーカートリッジの出荷を手配する。
 ★メーカー直送〜宅配便でユーザーにトナーカートリッジを直送する。
 ★販売店経由〜販売店が直接ユーザーにトナーカートリッジを届ける。

2−2.保守点検の必要性については複写機同様、リモートメンテナンスで診断し、必要に応じてCEの派遣を指示する(→販売店に連絡)。

3.締め日に複写機、プリンターの使用枚数を集計し、請求書を作成する(上記図参照)。販売店がユーザーに請求業務を行なう場合は、対称ユーザーの毎月の使用枚数、及び該当するそれぞれのセット割引率を明記し販売店にeメール送信する。

 以上、このようにすれば全く問題はないと思うのだが、さて如何なものだろうか?。

メーカー、販売店だけではない!ユーザーにとっても
メリット大の<セットDVカウンター料金契約方式>

 また、この<セットDVカウンター料金契約方式>は、何もメーカーや販売店だけではなく、ユーザーにとってもメリット大である。具体的には、次のような点が挙げられる。

●カウンター方式によって、プリンターの月次の集計枚数が把握でき、複写機のCVとPVをトータルしたDVの一元管理ができる。(DV経費一覧表の作成)

●プリンターの消耗品であるトナーカートリッジを必要に応じて自動配送してくれるので、購入や発注の手間が一切不要。また、ストックも不要なため、保管スペースの削減につながる。

●プリンターに万が一故障が生じた時でも、リモートメンテによってダウンタイムロスが防げるので安心。また、プリンター・複写機の保守点検やサービスが1箇所で受けられるので対応が楽。

●使用枚数、契約台数(プリンター)が多くなればなるほど割引率がUPするので、経費の削減にもつながる。

 このように、<セットDVカウンター料金契約方式>は、メーカー、販売店、ユーザーの3社共にメリットのあるしくみになっているので、市場で受け入れられることはまず間違いのないところである。
 
 では、そういった諸々のメリットのある<セットDVカウンター料金契約方式>なるものが、これまで業界で検討課題に持ち上がらなかったのは何故なのだろうか。
 これは、一つには複写機が消耗品や保守料が別売り方式の他のOA機器とは全く異質な、カウンター料金制という独自の文化を形成したことによって、複写機イコールカウンター料金、カウンター料金イコール「複写機独自の特別な世界」という強烈なイメージが業界内に定着してしまったことが挙げられる。このため、プリンター専業メーカーなどはこの課金料金システムを引き合いにして、自社のプリンターのランニングコストの優位性を強調するという戦術を用いるようになり、次第に対立構造を生み出していくところとなったのである。
 
プリンターメーカーも戦略を転換
カシオの課金料金制採用の意味するもの
  
 が、そんなプリンター専業メーカーもここにきて一転、戦略転換を図る動きがみられている。事実、カシオは今年の8月より毎分29枚の高速カラーページプリンタ『スピーディア N5』、消耗品代や保守料金の支払いが不要なカウンター課金システムを採用しているが、これなどはまさしくその端的な表れといえる。カシオが打って出た戦略は、マシン代込みの月額課金制という全く新しい方式を採用しており、いわば機械本体のレンタルと課金料金システムをミックスした独自の戦略。プリンターメーカーとしての今後の新しい方向を示す拡販策としても注目されるところだ。

 この背景には、今年の3月よりカシオが、カラーページプリンタ『スピーディア N5』の発売に合わせて、インターネット経由でユーザーのプリンタを診断する「ネットdeサポート」を開始したことが挙げられる。これは、『スピーディア N5』本体を設置の際、インターネットに常時LAN接続されているWindowsパソコンに,専用ソフトを導入するだけで簡単に利用できるサービスで、単にプリンタの稼動状態を確認するだけでなく、個々のプリンタの状態データを同社で蓄積することで、稼動履歴に基づく自動診断を実現。さらに独自のノウハウにより、保守点検の必要性を事前に察知し、ユーザーに電話連絡の上で、プリンタの状態を的確に把握した技術者を迅速に派遣するというというもの。こうしたeメンテサービスの確立が、今回の新戦略発動の背景になっている。


  
<参考資料>
『スピーディア N5』カウンタ課金システム〜月額料金(税抜き):19,300円より
「本体使用」契約 「カウンタメンテナンス」契約 (消耗品代・保守料金込)
月額 14,300円〜
(1年契約の場合)
カラー
(A4判の場合)
1〜1000枚 28円/枚
1001〜2000枚 26円/枚
2001〜3000枚 22円/枚
3001枚〜 18円/枚
モノクロ
(A4判の場合)
1〜1000枚 7円/枚
1001枚〜 5円/枚
月額の合計が5,000円以下の場合は、一律5,000円。


 勿論、その戦略プログラムの中には
、トナーカートリッジ対策が組まれていることは明白だ。現行の販売システムでは、いくらマシンを量販しても自社の純正カートリッジが確実にそれについて回るという保証はないからである。汎用品や再生品などのマーケットが急速に拡大しつつある現在、他社への流出を阻止する有効な手立てとしてはカウンター料金方式を採用する以外にないわけであり、そういった意味でもカシオの新戦略がプリンターメーカーに与える波及効果は極めて大きいものとみられる。

結論


 このように、自社に複写機を持たないプリンター専業メーカーでさえ、プリンターにカウンター料金方式を採用する時代なのである。つまりこのことは、複写機で採用しているところの課金料金方式の持つ、<保守料包括料金>、<消耗品の安定且つ定期供給ができる>、<顧客管理ができる>などのメリットが、プリンターメーカーに高く評価されたということを何よりも物語っている!

 以上のことからも、複写機メーカーはプリンター戦略で“本家”のカウンター料金をベースとした<セットDVカウンター料金契約方式>を早急に採用し、複写機ビジネスの活性化と販売店のDVセット拡販による安定ベースの積み上げを強力に促進・支援する必要があるように思われるのだが、どうだろうか!

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