慶應SDMは、ものごとを俯瞰的かつ体系的に捉えるシステム思考と、ものごとを人間中心で考えて多様性を活かして新価値を創造するデザイン思考を融合したシステム×デザイン思考の研究・教育を実施するとともに、その実社会への実装を行っている。
一方、NEC は、生体認証、AI、クラウド、セキュリティなどの最先端のデジタル技術を用いて、お客様のデジタルビジネスの加速に貢献している。
同教育プログラムでは、こうした両者が保有する学術的知見や先端技術を掛け合わせ、発展させることにより、さまざまな変化を見据えた社会課題解決に取り組み、新たな価値を創造していく。
1.背景
めまぐるしく変わる社会や顧客のニーズに合わせて、新たな価値をスピーディーに生みだしていくためには、ビジネスのやり方や組織の振る舞いそのものの変革が求められている。DXの実現は、企業や組織が将来にわたって競争力を維持し続けるための必要条件であり、重要な経営課題の一つとなっている。また、このDX実現を担うデジタル人材についても、質量ともに極めて足りない状態であると言われており、企業はその獲得や育成が課題となっている。これらの課題について慶應SDMとNECは、そのデジタル人材に必要とされる思考・行動様式を身につけるため、社会課題を起点に、システム×デザイン思考を用いて事業開発・構想化を行う教育プログラム(Project Based Learning by STARS、注)を共同で開発した。
Project Based Learning by Self Transformation And Reform based on System Design and Managementシステムデザイン・マネジメントの考え方をベースにした自己変革と組織改革活動。 |
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2.これからの取り組み
第1弾として両者は6月~8月までの延べ13日間にわたり、価値創造の方法論および技法の学習と、新事業のアイデア創出活動を組み合わせたプロジェクト型の教育を行う。NECでは既に2017年からデジタル人材の専門スキル強化に向けた専門技術領域のトレーニングを体系化・実施しており、今回開発した教育プログラムはそのスキルをベースに顧客視点での事業開発を実践し、デジタルな思考・行動様式を獲得するもの。今後はさらにコンサルタントスキルやコーチングなど、企業や組織のDX戦略を立案できるプロデューサーの育成にも取り組む予定。