HOME

Info 販売  セールス通信


販売のヒント、売り方のヒントを同梱した短冊レポート


最新配信日 2002−2−25

プリンターを敵対視するのではなく、連動セールスの展開を!
MFP販売時に下取りしたプリンターを有効活用する
リサイクル・トナーカートリッジの貸し出し大作戦で、大きな戦果を!
複写機のカウンター料金の値崩れは、セールスの力量不足と弱気が招いた結果だ!
New 販売事例:商店街の組合事務所にA1大判プリンターによるポスター作成業務の改善提案











R−01





★デジタル複写機の需要一巡により、デジタル機ならば売れるという時代は終わった。MFPを自力提案できるセールスでないとこれからの複写機販売はますます難しくなるだろう。


★複写機に比べると、この点レーザープリンターにはまだまだ勢いがある。ユーザーも、複写機で話をもっていけば「間に合っているよ」となるが、プリンターならばまだ話を聞いてくれる。


★ならば、プリンターで話題の切り口を掴む。仮に、最終的な狙いは複写機であったとしても、ここは正面突破を避けて、プリンターによる迂回作戦を展開する。その方が遥かに効率的である。


★複写機セールスは複写機を売ることしか頭の中にない。だから、売れない。下手な鉄砲でも数打てば当たるという時代はとうに終わった。なのに、無駄な飛び込みアタックばかりを繰り広げ、挙句「複写機は売れない」では、これはセールスの力量以前の問題といえる。もっと頭を使った、柔軟性のあるアプローチが必要だろう。


★複写機は会社に対する利益貢献度が極めて高い商品だ。安定且つ継続的なカウンター料金収入が確実に見込めるからである。この点、一方のプリンターは確かに売りやすい商品ではあるが、利益貢献度は格段に低い。保守料にしても確実に取れるという保証はないし、消耗品であるトナーカートリッジにしても供給が約束されているものではない。事実、市場には安い汎用カートリッジ、さらにはリサイクル・トナーカートリッジが大量に出回っているし、これらは今日通販の目玉商品とさえなっている。高い純正品トナーカートリッジを適正価格で売るのはまさしく至難の業といえるわけだ。


★勿論、プリンター本体で取れる利益などたかだか知れている。故に、複写機セールスはプリンターを売ろうとはしない。売りやすいけれど儲からないプリンターと、売り難いけれど儲かる複写機の対照的な構図がここに浮かび上がる。


★これからの複写機セールスは、複写機とプリンターとの連動セールスが不可欠である。勿論、複写機を売ることが最大の目的だが、そのための手段としてプリンターを活用する。本音は複写機、でも建前としてプリンターも使い分ける。そうした柔軟な対応とアプローチが必要である。プリンターを敵対視するのではなく、プリンターを自らの懐の中に引き込んで、連動セールスを展開することだ。そうすれば、自ずと道は開かれよう。




★プリンターを販売しても妙味はない。ならば、妙味のあるようなしくみを考えたらどうか。複写機と同じ様にカウンター料金制にして販売時に契約することである。勿論、保守料込みであり、トナーカートリッジの無償供給もこの料金の中には含まれる。料金はモノクロ出力で1カウントにつき4.5円〜5円程度。ミニマムチャージは4〜5千円/月位が妥当なところだろう。これならば、確実に利益は取れる。


★もしも、プリンターメーカーがそうしたカウンター料金制を打ち出すならば販売店のプリンター拡販志向は一気に高まるだろう。しかし、仮にメーカーがやらなかったとしても販売店単独でやることは可能だ。独自の契約制度、料金システムを作り、ユーザーの合意を得てプリンター納入時に契約を取り交わす。そうしたオリジナル戦略を打てば、他社との差別化も図れようというものだ。


★お奨めの戦略は<セットDVカウンター料金方式>の導入である。なお、これについては「TOP・THE・ゲンダイ」(9月13日配信)で詳細を記しているので、こちらをご覧になって頂きたい。
<セットDVカウンター料金方式>


★次回は、実践応用編をレポートします。

▲TOPへ戻る




R−02








★レーザープリンターを使用しているユーザーにMFPの導入を提案する場合、一般的には現在使用のレーザープリンターの代替機としてMFPを導入するケースが多い。その場合、現在使用中のレーザープリンターの処置だが、リースの残存分をMFP本体の値引き相殺で下取り機として引き取るのだ。そして、この下取りしたレーザープリンターを有効活用するのである。


★MFPをネットワークプリンターとして共有・使用する場合でも、レーザープリンターが別に1台あればそれはそれで便利だ。例えば、中小オフィスでは社長室専用のプリンターとして使えるわけだから、そうした面で下取りしたレーザープリンターを再活用する。


★「これは社長室専用のプリンターとして使って下さい」。こう言って、プリンターをユーザーに無償設置する。その際の説明はこうなる。
 「機械はご自由に使って頂いて結構です。ただし、その後のトナーの交換などのサービスは今後私共でやらさせて頂きますので、ご使用になられる場合はプリントアウト1枚につきン円の定額カウンター料を請求させて頂きます。なお、料金は毎月のMFPのカウンター料と合算して請求させていただきます。勿論、機械を使わない場合費用は一切かかりません」。


★ないよりもあった方が便利だから、これなら相手側も「要らない」とは言うまい。こうして、ユーザーのDVを総取り管理できる状況ができあがる。


★カウンター料は販売店が独自に設定すればいい。1枚4円でもいいし3円でも構わない。但し、下取り中古機である以上、ユーザーに負担のかかるミニマムチャージの類のものは付けるべきではないだろう。当然、トナーが切れればトナーカートリッジを無償で補給しなければならない。その辺を踏まえた上で、さらにユーザーの使用実績などを考慮して料金設定する。そして、お客さんとの間で使用契約を結ぶ。これでOKだ。


★この導入提案の妙手は、MFPをネットワーク共有プリンターとしてユーザーに導入提案する場合、「現在使用しているプリンターを出来きればそのまま残しておいて使いたい。が、毎月のリース料がかさむので…」というようなケースにおいて威力を発揮する。


★MFPの販売を通じてDVの拡大を図り、さらにオフィス全体のDV管理も推進する、そうした体制がここに出来上がる。


★また、プリンターのカウンター料金にユーザーが抵抗を示すようだったら、消耗品のトナーカートリッジを都度購入してもらう方法を採ればいい。この場合、機械の所有権は販売店側にあるわけだから、補給するトナーカートリッジはメーカー純正品でなくてもいいわけで、市販の汎用品やリサイクル・トナーカートリッジを使えばその分仕入れコストは安くつくことになる。



★活用編その2は、下取りした中古プリンター機を他社ユーザー攻略突破に活用する方法である。機械は無償で提供し、トナーカートリッジだけを購入してもらう。それも、単に機械を無償提供するだけではない。この場合有効なのが再生品トナー、即ちリサイクル・トナーカートリッジを切り札として使うことである。


★資源の有効活用とコスト削減を切り口に、リサイクル・トナーカートリッジの導入を提案する。ユーザーの中には再生品の品質について多少不安を抱いている人もいるので、試験的に導入してみませんかということで勧める。これが妙手だ。


★その際のトークはこうなる。「機械は無償で提供(貸出し)しますので、お客さんが負担する費用は交換する時のトナーカートリッジ代だけ。しかも、再生品ですから従来の純正品に比べて大変に安くつきます。また、品質その他で問題があったらいつでも自由に機械を返却してもらって結構です。今なら、お試しキャンペーン期間中ですので大変お得ですよ」。こうして口座の開拓に成功する。


★リサイクル・トナーカートリッジの使用効果を試してもらうのがこの作戦の狙いである。品質に問題がなければ、現在使用している他のプリンターのトナーも“安い”再生品に切り替えようということになる。こうなればしめたものである。


★リサイクル・トナーカートリッジは容器の回収が伴う。だから、顧客管理を推進できるという利点がある。つまり、オフィスで現在稼動しているプリンターが何台あって、機種名、経過年数、PVなどの使用状況が全て把握・管理できるわけであり、これが大きな強みとなる。


★定期的なトナーの供給、空のカートリッジ容器の回収等の業務を通じて顧客との間に信頼関係が形成されるので、ここにプリンター本体のリプレイス提案を行う場が与えられる。プリンターのリプレイス提案が行えるということはイコール、MFPの導入提案も行えるということである。


★下取りした中古プリンターとリサイクル・トナーカートリッジを組合せたユーザー攻略突破法は、かくして本丸のMFP導入という形になってやがて実を結ぶことになるのだ。


▲TOPへ戻る









R−03






2001−11−20


★前号のセールス通信bQでは、下取りした中古プリンター機を他社ユーザー攻略突破に活用する方法、そしてリサイクル・トナーカートリッジを切り札として使う営業手法について提案した。引き続き今号でもユニークなプリンター拡販策のひとつを紹介しよう。お勧めは、リサイクル・トナーカートリッジの無償貸し出し作戦の展開だ。これは、複写機のセールスがよくやる機械のデモ・貸し出しを応用したもので、いわゆる貸し出し作戦のプリンターサプライ版である。


★経費削減と資源の有効活用という観点から、ユーザーのリサイクル・トナーカートリッジに対する関心はここにきて急速に高まっている。コピー用紙でも再生紙を利用しようという気運が盛り上っているように、リサイクル品の使用はいわば企業の社会的な責任でもある。だから、官公庁はもとより大手企業などでは値段が少々割高でも再生紙を購入しようということになる。その点、リサイクル・トナーカートリッジの場合は純正品よりも値段が遥かに安いのだから、再生紙に比べればコストの削減にもつながるというメリットがある。


★とはいえ、欧米などに比べてリサイクル・トナーカートリッジの普及率が2割程度と低いのは、ひとつには、ユーザーのリサイクル・トナーカートリッジの品質に対する不安が依然として根強くある点に起因している。が、一昔前ならばともかく、現在はアウトサイダーが製造するトナーの品質も格段に向上している。品質上のトラブルといいうのはほとんどないし、またそれが原因でプリンターがトラぶったというような話もほとんど聞かれない。中には、1年間の品質保証を打ち出しているメーカーもあるように、こと品質に限っては安心して使える状況にある。


★しかし、それでもなおリサイクル・トナーカートリッジに対する不安を払拭できないでいるユーザーは今なお多い。そんなお客さんに、是非とも推進して頂きたい効果的な切り口提案が、冒頭のリサイクル・トナーカートリッジの無償貸し出し作戦の展開である。




★名目は<リサイクル・トナーカートリッジ無償貸し出しキャンペーン>でもいいし、<リサイクル・トナーカートリッジお試しキャンペーン>でもいい。要は、「今なら、リサイクル・トナーカートリッジを無料でお試しできます!」を訴求ポイントに、プリンターユーザーに案内するのだ。勿論、新規客、既客の区別は問わない。モノクロのレーザープリンターを使用しているユーザーを対象に呼びかける。


★貸し出し期間は1週間、あるいは2週間というようにあらかじめ設定しておく。但し、プリンターを複数台使用しているような大量消費ユーザーには期間を延長するなど、ユーザーの規模に応じてこの辺は柔軟に対応するといいだろう。お客さんにしてみれば期間中にトナーがただで使えるのだからメリットはある。つまり、断る理由は何ら見当たらないから貸し出し成功率は高い。しかも、機械の持込みのような後々の返却の煩わしさがないから気軽にOKが出しやすい。


★ひとたびリサイクル・トナーカートリッジの貸し出しに成功すれば、それが導入につながる確率、即ち、貸し出し決定率は極めて高い。しかも、トナーをただで使わせてもらったという負い目も少々あるから、その決定率は貸し出しの“本家”複写機の比ではない。トナーの品質によほど問題がない限りはまず大丈夫だ。


★リサイクル・トナーカートリッジを実際に使ってもらい、その品質を確認してもらう。そして、安心して導入に踏み切ってもらうのがこの作戦の狙いである。特に、大手の場合は、その品質に問題がないということを実感すれば、現在使用している他のプリンターのトナーも“安い”再生品に切り替えようということになる。そうした波及効果が見込めるのがこの作戦の妙味であり、狙いでもある。


★それだけではない。リサイクル・トナーカートリッジを導入してもらったお客さんは、その時点でプリンターの有力なリプレイスターゲット客となる。容器の回収に訪問した際に、今度はプリンターの話を持っていこう。拡販の土壌がこうして確実にでき上がる。


★ところで、貸し出し用のリサイクル・トナーカートリッジだが、当然これは販売店の自己負担となる。が、これもメーカーとの交渉次第だ。きちんとした販売計画を立て、このような主旨で拡販に取り組むという姿勢で交渉に臨めば、デモ用価格、あるいは特別価格で供給してもらえるかも知れない。そうなれば販売店の費用負担は少なくて済むわけだ。もっとも、そんなことよりもそれによって得ることのメリット、即ち、新規ユーザーの開拓、及び顧客の拡大が図れることなどの点を踏まえるならば、この程度の費用、実に安い投資といえる。



★わずか1本のデモ用のリサイクル・トナーカートリッジだが、このようにちょっとしたアイデアと有効活用により、大きなビジネスへの発展が期待できる。売れないと嘆く前に、創意工夫。我々の周りには商材はいくらでもあるのだ!


▲TOPへ戻る








R-4






★複写機がネットワークでつながり、共有プリンターとして使われるようになってくると、購入窓口のセクションも従来の総務系から情報システム系へと変わってくる。いわゆるパソコンやプリンターを管理しているセクションである。当然のことながら、1枚あたりいくらという課金料金制、及び使わなくても最低いくらの月間使用料を払わなければならないミニマムチャージといった“複写機独自の料金システム”は容易に理解され難い。従って、この段階においてカウンター料金制はセールスにとっては確かに大きな障害となる。

★もっとも、大きな障害となるといってもそれは理解度と慣れの問題であって、複写機の料金システムの方が割安で得ということでは決してない。が、どうしてもユーザーはプリンターの単純コストと即比較してしまうから、いかにも割高な料金体系のような錯覚に陥るのだ。故に、複写機独自の文化に馴染んでいる総務系の旧来の担当者のようには容易に迎合されることはない。

★アナログ複写機時代においては、カウンター料金の値崩れなどはほとんどなかった。せいぜい一部の官公庁や超大手ユーザーなどでみられた程度であった。が、デジタル時代、それもネットワークでつながり、パソコンの共有プリンターとしても使えるMFPの時代あたりになってから、少しずつ様相が変わってきた。セールスがプリンターと同じ土俵上で勝負するようになってしまったからである。

★厳密に言えば、セールスがプリンターと同じ土俵上で勝負せざるを得ない状況に追い込まれてしまったということである。が、プリンターと同じ土俵上で勝負してしまっては、否、同じ土俵の上に乗せられてしまっては、明らかに形勢不利である。「プリンターのトナーカートリッジだって定価の2割引き、3割引きで売っているんだよ。カウンター料金が定価じゃなければダメというのはおかしいんじゃないか?」。こう言われると、セールスは切り返す材料がないからつい腰を引いてしまう。弱いセールスは、ここでカウンター料金の値引き要請にイージーに応じてしまうのだ。

★お客さんに納得して商品を買ってもらわなければならない立場なのに、セールスが逆にお客さんの言い分に納得しているようでは、まさにセールス失格と言わざるを得ない。いささか表現は悪いが、買い手のペースに乗せられるようでは話にならない。これはプレゼン、ソリューション以前の問題であり、もはやこの時点で敗北である。

★この当面の“壁”をどう突破するか、である。。それが、複写機セールスがクリアすべき今日的第1の実践課題となっている。



★重要なことは、複写機とプリンターは料金体系、及びサービス・サポートシステムが全く異なる商品であるということ。だから、同じ土俵上での勝負は避けるべきであり、よしんば仮にそうした状況に持ち込まれても、それをはね返すだけの確固たる理論に基づいたセールスポリシーを持っていなければならないということだ。

★まず、複写機とプリンターの決定的な違いだが、複写機(MFP)はコピーとしてはもとより、プリンター、さらにはFAXとしても兼用できる。が、プリンターはスキャナーをつけなければコピーとしては使えない。だから、複写機とプリンター単体を同列で比較するのは正しくはないということ。このことを初めに言っておくことである。

★2点目は、「プリンターはランニングコストが安い」という声に対する反論をあらかじめ用意しておくことである。というよりも逆に、「プリンターは複写機よりもランニングコストが安い、とよく言われますが、実際はそんなことないんですよ!」と切り出し、敢えてプリンターと同じ土俵上での勝負に持ち込むことだ。いずれ、何らかの形でプリンターとの比較を持ち出されるのだったら、ハナから正面切ってそれを持ち出し、逆手にとって相手を説得することである。“攻撃は最大の防御なり”ではないが、この世界受身になっては負けななのだ。

★というのも、プリンタ−のランニングコストというのはA4標準原稿5%で試算し、1枚いくらですよ!とメーカー各社は強調している。が、ではB4の多いオフィスではどうなるのか。また、トナーの消費量が面積比で5%以上の原稿が多いところ(例えばデザイン会社など)ではどうなるのか、となると、その辺のところは実に不明確となっているからである。そう、このプリンターメーカーがマニュアルとして用意していない核心の部分をズバッと突くのである。

★「複写機の場合はA4でもB4でも、またA3でもカウンター料金は一緒です。これに対してプリンターの場合は、B4ならば単純計算でA4の1.5倍、A3ならばA4の実に2倍はトナーの消費コストがかかるわけですが、こういったお客さんの実際の使用シーンを一切考慮せずに、一律A4でいくらですと、いかにも自分にとって都合のいい基準で安さを単に強調するのは果たしてどうでしょう?公正さを欠くとは思いませんか!」。

★「それに、複写機の場合は、面積比で5%以上を超えるようなベタ系の多い原稿であれ、また写真入り原稿のように、明らかにトナー消費量の多い原稿でもカウンター料金は一緒です。10%、あるいは15%を超すような原稿が多い会社であれば、プリンターメーカーが主張するところの複写機とのランニングコスト比較は全くナンセンスなものとなってしまいます。そう思いませんか!」。

★まだある。が、これは次回の配信にとっておくことにする。
 要は、相手に納得してもらう説明をしないと商品は買ってくれないということ。複写機セールスに望みたいのは、もっと自信を持ってお客さんの懐に飛び込んでいってもらいたいということである。


▲TOPへ戻る